以前、9月の個別療育(言語)で課題に対して「意味がわかりません」を連発したみっちゃん。
その時の療育の様子はこちら:
やっぱりへこむ・・・個別療育支援センターの先生にも「なぜ意味を理解できなかったのか分からない」と言われ、日頃のみっちゃんとの意思疎通もうまくいかないことが度々あって衝突を繰り返しており、解決の糸口をつかみたくて保育園の巡回療育でお世話になっている木村順 先生に電話攻撃をすることを決意しました。
質問したい内容はあらかじめメールで送っておき、電話で解説してもらうため、メール送信数日後に電話。
先生は電話に出て下さるも、今日は難しい、ということが2.3度続きました。
今回はそれでも諦められず、めげずに電話をかけ、運動会の2日前にかけた電話で、メールから読み取れるキーワードだけ伝えます、ということでほんの数分だけお話ししました。
その時の内容がこちらに少し書いてあります:
特性の理解が深まったら、運動会も楽しめましたそして、そのお電話の4日後、やっとこさゆっくりお話しする機会をいただき、電話で1時間半ほどかけて謎を解き明かして下さり、今後の手立てをアドバイスいただきました。
さて、ではみっちゃんの「意味わかりません」の謎を解き明かしましょう。
謎1:答えられない課題と的確に答えられる課題の違いは一体何?課題1.もしものおはなし
答えられない問題:
(1)もしも、持っていたコップの水をこぼしてしまったら、どうする?
→み「こぼしたことないからわからない」
(2)もしも、寒い時にはどうする?
→み「わからない」
答えられる問題:
(3)もしも、おうちが火事になったら、どうする?
→み「電話をして消防車を呼ぶ、火事のところから逃げる」
(4)もしも、先生がみっちゃんにだけ折り紙を配るのをうっかり忘れてたら、どうする?
→み「わすれてるよ、っていう」
答えられない理由:主語がみっちゃんになってるからみっちゃんの心理:
(1)今、僕はコップを持っていない/みっちゃんが水こぼすなんてあり得ない→プライドから非現実的な回答に
(2)今、僕は寒くない
こんな風に聞いたら答えられるよ:
(1)物語のお話をします。続きのお話を作ってね。〇〇くんがお水が入ったコップをもっていたけどこぼしてしまいました。〇〇くんは何をしたでしょう?
(2)も(1)と同様
アドバイス通りみっちゃんに問いかけたところ、きちんと答えられました。
これはアスペルガーの、言葉通りにしか意味を理解出来ない(含みを持たせた表現が理解出来ない)、もしくはオリジナルな理解をしてしまう(普通はそういう風には受け取らない)、という中核症状だそうです。
次、いってみましょう!
謎2:絶対知ってるはずなのに、なぜ答えられない?!課題2.なかまさがし(1)(2)、単語からの連想(3)
意味がわからないと答えた問題:
(1)水の中に住むいきものをおしえて?
(2)くだものには、何がある?
(3)病院はどんなところ?
答えられない理由:単語からイメージするものが先生の意図と異なるからみっちゃんの心理(頭の中):
(1)住む=おうち、水の中にみっちゃんのおうちみたいな建物はないけど、どうゆうこと?
(2)くだものの中に何か入ってるの?
(3)コンクリートでできていて大きくて、でも大きくない病院もあるし…うーん、なんて答えていいか分からない!
こんな風に聞いたら答えられるよ:
(1)水の中で生まれて、育って死んでいく生き物ってどんな生き物がいる?
(2)くだものには種類がいっぱいあります。どんな種類があるか言ってみて。
(3)病院はどんな時に行くところ?
こちらも、アドバイス通りに尋ねてみたところ、驚くほどたくさん答えてくれました。
同じことを聞いているようで、みっちゃんにとっては全く異なる問いなんですね…
みっちゃんに話をする時、翻訳ソフトにかけてデタラメな訳になるような表現だと通じないんだよ、と教えてもらいました。
謎は解き明かしていただいたので、次は今後の手立てです。
ここでは詳細を割愛しますが、他の症状からみっちゃんには聞く・話すの学習障害もあると木村先生から言われています。
それも含めたアドバイスとなります。
取り組んで欲しいこと:
1.落語に親しんでみる
2.しがみつき抱っこを続ける
3.豚の丸焼き、木登り、アスレチックなど野生的な遊びをする取り組む理由:
1.アスペルガー特性のある子は面白さが理解出来ないが、ジョーク好きの子の場合、意欲的に覚えようとする場合がある。語彙や言い回しのレパートリーを増やし暗記していくことで感じ取れるようになる
2・3.耳で聞いた情報を映像で流す脳の働き(模倣運動・体操やおゆうぎなど)は霊長類以降の発達。その脳の働きと、しがみつく運動能力は関係しているため(しがみつき動作も霊長類しかできない)、しがみつき抱っこを続けてボティイイメージを作り上げることで、脳みその回転のさせ方も変わり、耳から入った情報をイメージ化して頭の中で流すことができるようになる
今回の相談で、今まで謎に思っていたことがたくさん解決しました。
一時的ではありますか、本当にスッキリ。
しかも、具体的な手立てと、それが必要な理由も丁寧に解説していただき、くすぶっていたモヤモヤが解消されました。
これこそ、本当の支援ですね。
行くたびに不安が増し、その不安は一向に解決してもらえない支援センターって一体なんなんだろう…と思ってしまいます。まだまだ発展途上なんでしょうが、もっと気合い入れて頑張って欲しい、というのが本音です。
日常で謎に思っていたことのうちの1つに、おちゃらけキャラで、オヤジギャクとかが大好きなのに、大阪人としてママの力が発揮できるボケなんかはみっちゃんは全く理解してくれず、「なんで?」と思っていました。
ボケを解説するという屈辱的な行為をしなければいけなかったり、冗談を理解出来ないみっちゃんに本気で怒られたりしています。
落語の本を早速購入して読んでみましたが、納得。全く理解していません(笑・涙…)。以前図書館でも数冊借りたことがありましたが、その時もみっちゃんには全く通じなかったので、それ以来借りていませんでした。
でも、今は10散りばめられた笑いのうち、1つくらいは気がつけたりするので、それでも十分楽しいようで、何日かに1度、「落語読んで」とねだられます。しめしめ。
ママのボケにするどいツッコミを入れてくれる日を夢見て、今後も地道にコツコツ頑張ります。
なんと落語が101話も!
この中でお気に入りの落語がひとつでもできたらいいな、と思っています。
posted by youzi at 22:53
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