今の会社は、社員数300名以上、入退社が年間でそれぞれ100名ずつあり、産育休と私傷病で休職している社員が常に10〜15名、非正規⇄正規転換が毎月1〜5名といった感じです。
これだけの条件でも、給与計算や各種手続き業務を1人で対応するにはボリュームがあるのですが、それ以外にも、業務災害による休業補償や、懲戒事由にあたる社員の特別措置、突然始まる無断欠勤、裁判所から来る給与の差し押さえ命令、などなどありまして、なかなか給与計算は一筋縄ではいきません。
そして、今までものすごく頼りにしていた派遣さんが3月でいなくなり、これらの業務を共有・教育していかないといけないのが昨年入社してきた3つ年下の男性社員です。
大卒で大手介護会社に入社し、現場を数年やったのち、希望を出して本社の人事に異動したものの、現場で人が足りなくなると現場に回されてしまう、という理由でうちに入社してきました。
人当たりはよく、私に欠けている業界経験を補ってくれる点でとてもありがたい存在なのですが、人事関連の管理業務はほぼ初心者な上に、新卒ではじめに入ったのが現場だったので、管理部門の人間なら「知ってて当然」が通用せず(データベースの扱い方や基本的な法律・制度関連の知識)ことで、私の説明が足りず、仕事を間違える、ものすごく遠回りして処理している、ということが度々起こり、彼と業務を共有するにあたり幾度となく頭を抱えています…
さて、前置きがかなり長くなってしまいました。
年齢はさほど変わらないものの、人事業務だけで言うと、彼と私には十数年のキャリアの差があります。
私が知りたいのは、30代半ばの男性の自尊心を挫かず、向上心と適度な危機感を持ち続けてもらうことを前提とした
1.知識まっさらな彼への仕事の教え方 -ひとつの処理だと思っていたことが、まっさらな人にとっては複雑な処理の集合体だったとわかったので、その処理をどこで切り分けるか(一度に説明しても理解できない)
-どこから説明しないといけないのか(その処理に必要な前提条件(制度や法律の知識、PCスキル)をどのくらい持ち合わせているのかを毎度どのように確認するか)
2.いちいち干渉し過ぎと思われない進捗管理 -進捗確認しないと想定外の方法で仕事をしていて、必要な情報が足りなかったり、ものすごく時間がかかるから
3.誤りの指摘の仕方 -私の説明不足ももちろんあるのですが、とにかく勘違いやミスが多い…
という3つのことで、「このまま自己流でいいのだろうか?」と不安に思ったので図書館で見つけたこちらの本を読みました。
アドラー流 たった1分で伝わる言い方
アドラー心理学の「言葉がけ」「伝わる言い方」に特化した一冊で、本の説明には
「苦手な人がいなくなる!人間関係は、言葉で変えられる!仕事でもプライベートでもすぐに使えて一生役立つフレーズ満載!」なんて書いてあります。笑
ページあたりの情報量はとても絞られている上に、図や絵が必ず入っているのでかなり読みやすい本です。
私が知りたいと思っていた3つのことをダイレクトに解決してくれるか?というとそうではないのですが、全体を通して人付き合いをもう一度新たな気持ちで見直すきっかけになりました。
上記の
3.誤りの指摘の仕方
については、
「PART4どんな相手にも伝わる言い方9つのポイント」の中の
1 ダメ出しではなくヨイ出しをする
2 ほめるより、勇気付けをする
3 「私」を主語にして伝える
5 原因追求するのでなく、提案する
7 まず自分の言いたいことを明確にする
8 お願いと断りはシンプルに伝える
9 叱るときは「私は正しい!」ではなく「私はこう思う!」
が参考になりました。
9 叱るときは「私は正しい!」ではなく「私はこう思う!」
にある、「叱るときのポイント」のみ、抜粋して紹介します。
1.何について、なぜ叱るのか、どのように改善してほしいのかを伝える
2.伝えることは一度にひとつのことに限定する(あれこれ叱らない)
3.次のチャンスを与える
4.相手にも事情があるならば、それに耳を傾けるって、子育てと同じじゃん!(笑)
なんとなく、こう伝えたほうがいいかな?と思ってやっていたことが本を読むことで頭の中で整理されたので、よりスムーズに言葉が出るようになった気がします。
知りたかった3つのことに対する答えは、
感情で伝えず、シンプルに伝える、
これに尽きる、というのが結論です。
この本に書いていることを実践するにしても、とにかく日頃のコミュニケーションによる信頼関係が土台としてとても大切なので、彼が入社してきてから心がけている朝2.3分の雑談(主に子育てネタ・笑)を、これからも継続していこうと思います。
(おまけ)
P.84相手の心の根底にある感情にも目を向けよう
が参考になりました。以下抜粋です。
相手が怒りをぶつけてきたときには、相手の根底にある「一次感情」に目を向けてみましょう。
一次感情とは、「悲しい」「困惑」「不安」「焦り」「さびしさ」「心配」などといったものです。それに対して「怒り」は二次感情といわれています。つまり、一次感情が満たされないとき、怒りの感情が湧いてくるのです。
相手の一次感情を受けとめる言葉例
「それ大変だったよね」
「それって困ったよね」
「寂しかったんだね」抜粋以上です。
相手の根底にある感情に目を向けて共感することなく、相手の怒りをおさめるために謝ったり、解決提案してしまうと、真の解決にいたらないこともあるとのこと。
うん、ちょっと分かる気がする。笑
仕事上だけでなく、子育て、夫婦間でも役に立つかな、と思い紹介させていただきました。
posted by youzi at 08:22
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